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甘楽花子 坤庵
旧暦十月の亥(い)の日の亥の刻に亥の子餅を食べると、無病息災と子孫繁栄をもたらすという民間信仰があります。宮中の儀式だった「玄猪(げんちょ)」に由来し、お茶の世界では「炉開き」に使われる菓子です。いのししは火伏せの神の遣いで、陰陽五行では、「水性の陰」で火に勝つとされ、火の災いから守られると伝えられています。 コロンとした形はいのししを見立てたもの。餡には水あめを入れることで、秋らしいこくを出しています。