京都民報
なるほど京都

京の菓子暦:霜月

茶の湯と京文化に磨かれ、育まれた京の和菓子。四季折々の京の和菓子を紹介します。

甘楽花子 坤庵

11月

銀杏(いちょう) 【ういろう、粒餡】

銀杏 金色の小さき鳥のかたちして銀杏(いちょう)散るなり夕日の岡(丘)に与謝野晶子  京都には御所や西本願寺、堀川寺之内などに大銀杏があります。抜けるような青空に黄葉がよく似合います。
 「銀杏」はういろうの生地を2つ折りにして、重なり合った黄金色の葉の輝き、その姿、色、そのままのお菓子です。  

 

残りの錦(のこりのにしき) 【村雨、粒餡】

残りの錦 唐錦枝にひとむら残れるは 秋のかたみを絶たぬなるべし(新古今若集)  盛りを過ぎた紅葉山には落葉、朽葉が深く敷き詰められ、その朽葉色や枯葉、枯木の茶色の中に、名残りの赤や黄の彩が点描されたように映えています。そんな晩秋の山の相です。
 そぼろ状の村雨生地を型につめ、5分ほど蒸して冷まします。