京都民報
なるほど京都

京の菓子暦

茶の湯と京文化に磨かれ、育まれた京の和菓子。四季折々の京の和菓子を紹介します。

甘楽花子 坤庵

5月

卯の花(うのはな)【雪餅、粒餡】

お菓子卯の花の咲きぬる時は しろたへの 波もてゆへる 垣根とぞ見る  (太宰大貳重家)  白い卯の花が垣根に咲き、波のように見えるという、今も昔も変わらぬ初夏の景色でしょうか。抹茶で色付けした新緑の上に白い氷餅を載せ、卯の花に見立てました。軟らかい餅と餡が口の中でほどけます。