残業代未払いの証拠
「多少の残業代は当たり前」
メモで残業代支払わせたパート女性
京都市山科区のスーパー内のそう菜会社で働くパート社員Aさん(45)=女性=は、
残業しているのに残業代が支払われません。
請求しても 「多少の残業はあたりまえ」 と言って聞き入れてもらえません。
なんとかしたいと山科地区労に相談。 労働組合に加入し、
団体交渉で残業代未払いを支払わせることができました。
解決の決め手はAさんの 「メモ」 でした。
タイムカード打刻後も勤務
Aさんは、 3年前勤務を始めて以来、
手帳に毎日始業時間と終了時間、 どんな作業をしたのか、
メモをとっていました。
Aさんの勤務内容は、他のパートへの指示や売場・厨房全体の管理、
商品の発注などです。午前9時から午後5時までが勤務時間ですが、
毎日のように1、2時間の残業が当たり前。
タイムカードをいったん午後5時に打刻していますが、
そのあとも業務上で必要作業があるので残業しています。
「なぜ残業代が支払われないのか」と疑問に感じて会社に要求しても
まともに対応してくれずにきました。
提示して実態を認めさせる
Aさんは、山科地区労に「これくらいの残業だと払ってもらえないのでしょうか」と相談。
相談員は「残業代は支払ってもらえます。
支払わないのは労働基準法違反です。 勤務時間や仕事内容をかいたメモは重要な証拠となります。
労働組合に入って要求しましょう」とアドバイスしました。Aさんは、建交労(全日本建設交通一般労働組合)
に加入して団体交渉をすることにしました。
団体交渉でAさんは、残業時間と作業内容を証明するものとしてこの手帳のメモを示して、残業代未払いを請求しました。
これには会社側の弁護士もしぶしぶ残業の実態を認めざるをえず、
残業代未払い賃金のほぼ全額が支払われることになりました。
(「週刊しんぶん京都民報」2005年5月29日付)