労働相談
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労働に関する悩み相談

解雇権の濫用

「明日からこんでええ!」
――突然のクビ宣告に頭にきた女性2人
「解雇通知書」を出させて、撤回させる
眼鏡卸し業に勤める20代の女性社員2人が、 ある日突然、 社長から口頭で 「会社辞めてくれ。 明日からこなくていい」 と言われました。 驚いた2人。 納得できず京都労働相談センターに駆け込みました。 そこで得たアドバイスは 「正当な理由なしには解雇できない」。 2人は労働組合に加入し、 会社側と交渉して不当解雇を撤回させました。
給料高い順に辞めてもらう
 社長の言い分はこうでした。「先月赤字になり、今月も赤字になることはまちがいなし。給料の高い順に辞めてもらうんや。2人とも明日から来んでええで」。一週間後の日付で解雇を通告されました。 「そんな…」。途方にくれる2人。 2日後、新聞広告で京都労働相談センターを知り、駆け込みました。
 相談員から受けたアドバイスは 「解雇通知書をもらうこと」 でした。
 「解雇通知書? なんですか、 それ」。 初めて聞く言葉に戸惑いました。
 相談員は励ますように言いました。
 「解雇を言い渡された労働者は、使用者にその理由を書いた証明書を出すように要求することができます。法律 (労働基準法22条2項)で認められているんですよ。やめさせる理由が正当かどうか、 それを見て判断できます。さあ、 まず急いで要求しましょう」

出たのは理由のない通知書
 会社側に 「解雇通知書」 を要求したところ、 出てきたのは 「解雇理由のない」 通知書でした。
 「なによ、 これ」 と怒った2人。 同センターの紹介で建交労 (全日本建設交運一般労働組合京都府本部) に加入し、 闘うことを決意しました。
 組合として交渉するようにと求め、 話がつくまで解雇の留保を約束させました。  どきどきしての初の交渉。 組合役員とともに、 2人は会社側に解雇理由の不当性をとことん追及。 会社側は解雇理由についてまともに答えることができず、 整理解雇規制の4要件を一つも満たしていない不当な解雇であることを認めざるをえませんでした。
 ついに社長は「明日からも仕事に来てください」と力なくいいました。 解雇撤回の表明に2人は大喜び。 「相談し、 組合に入ってよかった」 と握手しました。
(「週刊しんぶん京都民報」2004年11月7日付)
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