許可得た2回遅刻を理由に
Mさんは、6カ月契約で派遣先の大手電器メーカーのOAオペレーターとして働いていました。4カ月を過ぎたある日、突然「勤務状況不良」と派遣先からの苦情を出されました。Mさんを派遣している会社はこれを理由に2カ月間短縮し、契約切れによる雇い止めを一方的に通告しました。
「勤務状況不良」というのは、Mさんが遅刻を2回したということでした。しかし、それは子どもの病気のため病院に連れて行くことで遅れたもので、事前に管理者に了解を得ていたものです。
Mさんは、「そんな簡単に解雇できないはず。解雇するにはそれなりの補償をする義務が会社にはあるのでは」と思い、労働相談センターへ電話で相談しました。相談員は「派遣先の会社が契約解除したからといって直ちに雇用契約を解除することはできません」とMさんの疑問を解きました。
契約未更新は30日前に通告
相談員によると、有期雇用契約を更新しない場合は、30日前に予告が必要で、途中で契約解除するためには経営状況の悪化により廃業するなど『やむを得ない事由』という条件を満たすことが必要とのことでした。相談員はMさんに「労働局に相談に行き、あっせん申請と解雇予告手当ての申請をしてはどうですか」とアドバイスしました。
さっそく労働局へあっせん申請と契約書などを資料として提出したMさん。労働局は派遣会社に「Mさんとの有期雇用契約を途中解約し得るやむを得ない事由は存在しないと判断される」と指導しました。その結果、Mさんは派遣会社と話し合いをもち、解雇予告手当てと当初の契約期間中の賃金を補償させることができました。
(「週刊しんぶん京都民報」2005年1月9日付)