百万円のボーナスも0円に
Nさん(58)は、勤続19年。ある日、社長から「売上げが減り経営が苦しい。
賃金を固定給から全額歩合制にする」と告げられました。Nさんは「それでは生活できない」と訴えましたが、社長は一方的に強行しました。
歩合制というのは、Nさんが受け持つ担当エリア(鳥取、島根、広島、岡山、和歌山、奈良)を販売にまわり売り上げた
金額が1カ月300万円までは売り上げの3パーセントを、300万以上では売り上げの15パーセントを支給するというものです。
この歩合制のもとでNさんの1カ月の総支給額は、それまで364000円だったのが、翌月には238210円、
翌々年4月には27723円と大幅に減額しました。年間100万円程度あったボーナスも支給は0円となりました。
事情を聞いた相談員は「労働条件は、労働者の合意なしに経営者が一方的に決めることはできません。
労働局の助言、指導をしてもらうようにし、同時に労働組合に入って団体交渉するか、弁護士に相談してはどうでしょう」
とアドバイスしました。
Nさんは、まず、労働局に相談に行き指導、助言の申請をしましたが、
解決できないので弁護士に相談することにしました。 (「週刊しんぶん京都民報」2005年1月30日付)