会社都合の退職
(協力:京都労働相談センター)
「会社都合」で退職強要しながら「自己都合」にさせられた女性
だまっていたら大きな不利益
出産後、1年間の育児休業をとっていた女性社員のOさん(27)は、会社の懇願で6カ月残してしかたなく職場復帰しました。ところが会社側は育児にはまったく配慮せず、 あげくに社長は「もう辞めたらどうか」と言いました。仕方なく応じたところ、離職票に書かれた退職理由は「自己都合」。「会社都合」にして欲しいと言っても拒否され、怒りがおさまりません。
育児配慮せずいやがらせも
Oさんは京都市内の金属加工の会社に勤務して8年。外注担当の課長代理という重責を担い忙しく働いています。
会社の要請があって復職したのにもかかわらず、育児のための遅刻、早退に社長は難くせをつけ、いやがらせを始めました。
こどもの病気で1週間の休みを申請したことを契機に退職を強要され、「もうここで子育てしながら働き続けられない」としぶしぶ退職に応じました。
しかし、離職票には「自己都合」退職となっていました。「自己都合」の退職では会社の規定で退職金が少なくなります。
「納得できない」と会社側にかけあいましたが、「会社都合」への変更にはがんとして応じません。なんとかしたいと労働相談センターに相談し、「雇用保険も『自己都合』だと、給付日数も少なくなります。会社が退職を勧めてそれに応じたのだから、 当然『会社都合』の退職となります。労働組合に加入して団体交渉しましょう」とアドバイスを受けました。
団交で社長に事実突きつけ
団体交渉で社長は、「自分から辞めた」と言って聞き入れませんでしたが、Oさんが、社長から受けたいやがらせや「パートになるか、いやなら辞めてくれ」と言われたことを自ら訴えたことで、退職強要を認めざるを得なくなり「会社都合」に変更させました。
退職金の上乗せ、さらに雇用保険の給付期間も「会社都合」が適用(120日間)されました。
(「週刊しんぶん京都民報」2005年2月20日付)