給料2年間で2万円も減少
Sさんは8時半から5時半までの勤務でしたが、1時間くらいの残業をすることもたびたびありました。 会社は、 2年前に労働者に相談なく、タイムカードを廃止しました。 それとともに給与も基本給に家族手当、 食事手当、 皆勤手当、 通勤手当と時間外手当も組み込み一本化して支給するようになりました。 2年間で約2万円も切り下げられました。
Sさんは、ずさんな時間管理や賃下げの説明を社長や専務に求めましたが、「今すぐに言えない」と逃げてまともに答えようとしないので労働相談センターに駆け込みました。
自ら出退社時間をメモして
相談員から「労働者の労働時間管理は会社の義務です。
残業手当が支給されていないのは法律違反です。
労働者の同意なしに一方的な給料のきりさげもできません」とアドバイスを受け、すぐに労働組合(JMIU)に加入して会社と団体交渉することにしました。
団体交渉でSさんは、会社が時間管理をしていないことを追及しました。
すると、会社は「時間管理は上司がおこなう」、時間外労働は「上司の指示に従うこと」という提案をしてきました。
この提案以降は、残業は少なくなりましたが、時間管理はされないままです
Sさんは、労働相談でアドバイスを受けて出勤と退社のメモをしていた4カ月の残業代の支払いを認めさせ、1万円の賃上げを実現しました。
(「週刊しんぶん京都民報」2005年2月27日付)