勤続20年近い超ベテランを
会社は、八幡市にあり、従業員は15人。ダンボール印刷用の製版フィルムに8ミリ位のボードを手作業で貼り付ける仕事です。Aさんらは勤続20年近いベテランです。
01年4月の解雇理由は、3000万円の機械を導入し、手作業を全面的に廃止するためでした。終業時に「来月でやめていただきます」と通告され、約束していた退職金もなく、雇用保険もない一方的なものでした。
何とか仕事を続けたいと思った5人は、京都労働相談センターの紹介で、即日京都印刷出版産業労組に加入。分会を結成しました。
10回にも及ぶ粘り強い交渉
10回にもおよぶ粘り強い団体交渉で会社は、「全機械化には不安もあり、機械と手作業の併用でいく」と解雇を撤回しました。それから1年経った年末に突然再度の解雇通告。
今度は不況でダンボールの需要が落ち込んだことを理由にしたもので、退職金、解雇予告手当も示してきました。
団体交渉で労働組合は、社長に「労働条件の変更は組合に連絡をとってから実行する」
約束に反していると強く撤回を迫りました。また、仕事の減少には、Sさんらも不安を感じていたので、「機械で作業のできる規格品の仕事だけをとるのでなく、手作業でできる規格外の仕事もとって仕事量を増やす努力をするべき」という提案もしました。
4回の団体交渉を経て社長は、労働組合の道理ある追及と提案に歩み寄り、解雇は撤回されました。
(「週刊しんぶん京都民報」2005年3月6日付)