しつこく請求で時給アップ
22歳のHさんはネイリスト。時給700円、一日6時間契約でネイルサロン(京都市北区)に8カ月前に就職しました。
ネイルサロンは、大型店舗の一角にあり、朝9時から午後4時までの勤務時間。仕事は、爪のケアや装飾でお客さんをたくさん取らなければ売上げはあがりません。
タイムカードなどでの時間管理はされておらず、毎日のように1時間から3時間の残業がありました。
残業代をしつこく請求したので、社長は時給を780円にあげてやるからと言いました。
どうも納得できないHさん。労働相談センターを訪ねました。
さかのぼってメモして申告
事情を聞いた相談員は、「たとえ時給の引き上げがあったとしても、また、売上げ目標を達成してなくても実際に働いた残業時間の賃金は支払ってもらえます」と言いました。
ホッとしたHさん。
「これまでの分も払ってもらえるんですか」と聞くと、「さかのぼって残業時間を正確にメモして労働基準監督署に申告してください」とアドバイスをしてもらいました。
少し首を傾げたHさん。「労働キジュン…って?」。
相談員はやさしく微笑して労働基準監督署について説明もしてくれました。
職場でのトラブルの相談にのり、解決するためにアドバイスしてくれるところ。
会社が誠意ある対応をしてくれない場合は、労基法違反として労基署に申告すればいいということもわかりました。
納得したHさんは、勤務のシフト表をもとに残業時間を記入したメモを添えて、会社を労基法違反として労働基準監督署に申告しました。
労働基準監督署は、これにもとづき会社を指導することになりました。
(「週刊しんぶん京都民報」2005年4月10日付)