まじめに25年働いてきた
Kさんは勤続25年。まじめに働いてきました。
ある日、社長に突然、「店の経営状態が悪いので経費節減のためやめてくれないか」と言われました。Kさんはすぐに「そんな急にやめろと言われても困る」と拒否しました。
1週間ほどしてまた社長が「先日の件、考えてくれたか」と聞いたのでKさんはきっぱりと「解雇理由証明書を書いてください」と要求しました。労働組合活動の経験のある知人から解雇通告されたら「解雇理由証明書」を請求することが大切だと聞いていたからです。
社長が出してきた「解雇理由証明書」の解雇理由には、「リストラ」とだけ書かれ、あて先も、日付も、社長の印鑑もありませんでした。
通用しないことをわからせる
これでは、納得いかないと友人がすすめた労働相談センターへ駆け込みました。
「すでに仕事のローテーションは、私をはずして組まれています。もうこんなところでは働きたくはないのですが、なんとか社長にこんなやり方は、通用しないということを解からせたい」と訴えました。
相談員は「この『解雇理由証明書』では、解雇の要件の何も満たしていません。社長にこの解雇は無効であることを主張して下さい」とアドバイスしました。
Kさんは、社長に「解雇に正当な理由は何もないので認められない」と切り出しました。社長は、Kさんのき然とした態度におされ、低姿勢で話し合いに応じ解雇予告手当と退職金以外に解決金を支払うことを約束。和解が成立しました。
(「週刊しんぶん京都民報」2005年6月12日付)