妊娠判明を理由に退職強要
(協力:京都労働相談センター)
「妊娠判明を理由に退職強要・時間外手当不払いなど」
京都市山科区のあるペットショップで3年勤務していたUさんは5月に妊娠が判明。社長に報告したところ、社長に「それではもう働けないから辞めたらどうか」と言われ、6月に渋々退職をしました。しかし、友人に聞くとそんなのおかしいから労働相談センターに一度相談したらと言われ相談に来られました。
相談員は妊娠を理由に解雇や退職を強要する事は男女機会均等法違反ですから組合に加入して交渉しましょう、とアドバイス。
同時に勤務中の労働条件を聞くと、賃金は1日10時間労働で6、000円とのこと。これは明らかに最低賃金以下。雇用保険・健康保険・厚生年金も未加入。時間外労働手当不払いなど、劣悪でした。
同僚も同じ条件であったため、同僚に呼びかけ組合に加入することを勧めました。結果、3人が全国一般に加入し会社と交渉することにしました。
団体交渉で(1)解雇は違法行為であり直ちにUさんの職場復帰を認めること。(2)最賃違反の賃金是正。(3)時間外労働手当支給を要求。
会社は当初「妊娠を理由に退職強要などしていない。Uさんは自分で辞めたのだ。不当と言われることはない復帰は認めない」とかなり強気でしたが、最賃違反や時間外労働手当未払い問題を追求すると言い訳のしようがなく3人分まとめて社労士に計算をしてもらって支払うと回答。2回目の団体交渉でUさんの職場復帰は本人の意志も有り撤回したが、最賃以下の賃金是正、時間外未払い分について、解決金(3人分で数百万円)を支払ってもらうことで合意解決しました。(ただし支払い能力の関係で8回の分割払いをやむなく受け入れた。)
Uさん・Oさん・Mさんの3人は「最賃違反や時間外労働手当がこんなに多額になることは全く予測していなかったし、入社当時会社から『当社は残業手当はない』と言われていたので貰えないのが当たり前と思っていたので、相談センターや全国一般には大変感謝している」と喜びを語っていました。