「妹背山婦女庭訓」(いもせやまおんなていきん)は人形浄瑠璃として明和8年(1771)大坂で初演された。立作者近松半二を中心に、松田ばく、栄善平、近松東南、三好松洛らによる合作である。
雄大な構想が特徴で、蘇我入鹿と藤原鎌足を核として、三輪山苧環伝説、能の「三輪」「海人」、幸若舞曲の「入鹿」、浄瑠璃の「天智天皇」などを織り込んで脚色された、義太夫狂言の傑作である。
近松半二はこの他にも、「伊賀越道中双六」(人気の沼津は三幕目にあたる)、「野崎村」「河庄」「十種香」「袖萩祭文」など上演頻度の高い作品を書いている。共通するのは親子恩愛や男女の情愛、悲哀で、時代を超えて愛され続ける所以である。
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