和布ものがたり
釘抜地蔵―お地蔵様と五色の布―
京都の8月の地蔵盆が終り、やっと一息…。
ふと立ち寄った「釘抜地蔵」さんで、ある布が目にとまりました。
何回も来ていたはずなのに、布として見ていなかったのかも知れません。
緑、白、赤、黄、紫の五色の布が、何本も編みこまれて、手元から左右2本の紐となり、中央の地蔵様に結びついていました。いろいろな人が手元の紐をなでながら、願いを結ぶ紐に思いを寄せてきたのでしょう。
着物地等で作られた「よだれかけ」が、たくさん結ばれていました。幾重にも重ねられ「諸悪排除」と書かれているものが多かったです。
「くぎぬきさん」として親しまれるものとは、もろもろの苦しみを抜きとるという信仰から「苦抜地蔵」と呼ばれていたのが、それがなまって「釘抜地蔵」となったと、解説されていました。「5色の布の紐」は、不思議な紐に見えました。
わたしも、家族が健康に……と願って帰りました。