和布ものがたり
更紗(さらさ)
雨の中、更紗を収集している友人にいただいた案内状を持って「古布、更紗パッチワーク個展」岡崎順子作を見にいきました。中京区寺町通二条下ル榎木町の「ギャラリーテラ」はとても落ち着いたギャラリーで古い更紗の色合いがとっても調和していました。綿更紗が中心でかわいい作品達がお話してくるようでした。
岡崎順子さんと話していると、ゆったりとした人柄が伝わってきます。彼女はコツコツとした時間の流れの中で、自分自身が納得いく色合わせと素材合わせに気を配ってこられた事を語ってくれました。「時給50円位の仕事ですよ!」とさりげなく言われた「ことば」にグサッ!とくる思いでした。最近の私は、どんな気持ちで作品と向かいあっていたのだろうか。反省すべき点がたくさんありました。
私は布の作品に関しては先生はおりません。すばらしい作品が先生です。先生が1人増えましたと伝えて、作品を1点いただきました。帰ってから作品を見ていると、とっても温かいものが伝わってきて、彼女の布への思いややさしさを思うと涙が出てきました。まだまだ未熟な自分をいまさらながら自覚した1日でした。
【更紗】室町時代から桃山時代にかけて渡ってきたもので、インド西海岸にあるスラートが集産地。紋様は人物、鳥獣、花、蝶、虫をモチーフとしたものが多くある。絹と綿があり、インド更紗、ジャワ更紗、ヨーロッパ系のものとそれぞれの手法がちがいます。明治以後、着物、布団地、帯地などに広く用いられていた。