和布ものがたり
家紋
着物のリフォームの仕事をして、もう12年余りになります。喪服を持って来られる方も多くあります。そのたびに、いろいろな紋を見せていただき、楽しんでいます。着物を着ておられた方々の、思い出の話を聞かせていただいたりすると、いい供養になっているのだと思います。最近は、古着を買ってこられて、他の家の紋でも、デザインとしてポイントに使用される方もあります。時代の変化の中で、紋に対する見方も変わってきたのかも知れません。
その家に代々引き継がれてきた紋も、着物という形がなくなったとしても違った形で残っていけばと願います。
みなさんは自分の家の家紋をじっと見たことがありますか? なんと種類の多いことか…。
忙しく多様化した現代において、1つのテーブルで家族が全員そろって食事をすることも少なくなった今。家族について考え、家紋と共に先祖の方々を想い、手を合わせてみてはいかがでしょうか。今、健康に生きている、自分の生命の重みがジーンと伝わってくるのではないでしょうか。