おでかけレポート
人形浄瑠璃の魅力を満喫 文楽鑑賞教室
着物で難波へ 「文楽鑑賞教室」
6日は着物クラブ初めての大阪遠征。難波の国立文楽劇場の「文楽鑑賞教室」へ行ってきました。文楽は、今年秋には「世界無形文化遺産」に登録される注目の舞台芸術。人形浄瑠璃は初めてという方、学校の課外授業で鑑賞された方や何度かご覧になった方など、経験度はさまざまな総勢9人でのおでかけでした。
サルシッチャとブロッコリーのタリアテッレ
文楽の魅力や注目の若手人形遣い、情のこもった義太夫の語り方などを紹介いただきました。「義太夫の語り分け、太三味線の物悲しい響き、人形の艶っぽい動き、この3つがひとつになった大人の人形劇」と日本独特の文化継承の大切さを強調されました。
国立文楽劇場
入場時に渡されるパンフレットに「床本」が掲載されていますが、国立文楽劇場では、舞台上部の電光掲示板に字幕が出て大夫の語りをリアルタイムで確認できます。
義太夫の「語り」は、江戸時代の大阪のことばなのだとか。義太夫にあわせる三味線も、大阪弁のイントネーションに沿った節回しになっています。
字幕を目で追っていると人形が見れず、語りに引き込まれて大夫の方に見とれていると場面が変わってしまったり、初心者はなかなか集中できません。初心者は逆に字幕を見ない方がいいかも…。
二人三番叟のコミカルな動きに笑いもこぼれます。続いて、幕間の解説では、竹本相子大夫さん、鶴澤清丈さん、桐竹紋臣さんが実演を交えて人形のからくりや舞台裏、文楽の歴史などを話されました。やはり大阪の方だからでしょうか。皆さんトークがお上手! ジョークを交えた軽妙な解説に、会場からは笑い声が絶えませんでした。
そして、世話物の傑作「傾城恋飛脚」。江戸時代、実際に起こった事件をモデルに近松門左衛門が人形浄瑠璃のために書き下ろした名作です。
遊女の身請けのために公金横領という大罪を犯した息子が親もとへ逃れてくるという物語。父と子の涙の再会と別れ「新口村の段」が上演されました。
うなる義太夫節の親子の情愛にNさんは何と涙が…。Hさんもすっかり聞き惚れている様子。
「また行きたいわ」「京都にこないかなあ」とみなさん、すっかり人形浄瑠璃に魅せられてしまった鑑賞教室でした。
※「床本」とは、大夫が床(客席の上手側に張りだした、太夫、三味線弾きが座る場所)で義太夫節を語るとき用いる台本のこと。