ジョン・カーワン
規格外の大型ウイングは、現ジャパンHC
author:京チャン・菜チャン
ラグビー世界一を決めるワールドカップが始まって今年で21年目。ラグビーファンにはおなじみになっている。私にとっては、第1回のオープニングゲームとなったオールブラックスとイタリアのゲームが今でも忘れられない。
ゲームスコアは、当然オールブラックスが70対6で勝ったわけで、勝ち負けには興味がなかった。このゲームが今でも私の記憶に残っているのは1人のバックスプレイヤーのプレーである。
その名は、ジョン・カーワン。そうです、現役のジャパンの監督です。若い人の多くは指導者としてのカーワンは知っていてもウイングとしての彼を知っている人は少ないでしょう。
イタリア戦でカーワンは、自陣ゴールポスト前でパスを受け、相手選手を数人振り切って70メートル走り、敵陣のインゴールにトライ。ファンからやんやの拍手を受けた。
これだけのプレーならどこでもみられるものだが、カーワンは、ウイングの選手でありながら、体格と身長はフォワードの第2列か3列並で一目みたらバックスの選手とは到底見えません。
トライしたシーンも、ステップで相手をかわして前進するのはなく、ボールを右手、左手にかえてハンドオフで追っかける相手を倒していくというプレーで私には、当時バックスプレイヤーでこんなことができるのか――と驚いたものです。
またカーワンのような選手をかかえるオールブラックスの層の厚さにも改めて関心した。
オーストラリアの名ウイング・キャンピージと並んで当時世界中のラグビーファンから親しまれたカーワンが、今度は、ジャパンのリーダーとしてジャパンを強豪国と肩を並べるチームに育ててくれることを祈る。