大逆転生んだ3つのプレー
1991年全国社会人大会決勝 神戸製鋼対三洋電機(18-16)
author:京チャン・菜チャン
このゲームは、神鋼が黄金時代に入り3連覇をかけたゲームであった。4点差でインジュアリータイムに入ってすぐ、神鋼サイド22メートルライン付近でラックがつくられた。
神鋼マイボールでSH萩本がボールを出し、SO薮木からCTB平尾、平尾からWTBウィリアムスにボールがまわり、ウィリアムスは自陣22メートルライン付近からタッチラインにそって走り続け、最後は三洋WTBナモアを振り切り、インゴールに飛び込んだ。
ゴールも決まって逆転。その後ノーサイドの笛がなるというラグビー史上に残る名プレーが完成した。
この名プレーの中で私は3つのポイントがあったと思う。
1つは、ラックの中で三洋NO8ラトゥを神鋼NO8大西がジャージをつかみラックからの飛び出しを遅らせたこと。ラトゥが早く動き出せばウィリアムスの走りに大きな影響を及ぼしたと考えられる。
2つ目は、SOから平尾へのパスがワンバウンドになった。このボールを平尾がうまくすくったこと。そしてきれいにウィリアムスにパスした。
3つ目は、ナモアに追走されながらもウィリアムスが粘ってゴールポスト下にトライしたこと。これでゴールキックのポジションが真正面となりFB細川のゴール成功につながった。
このように要因を考えるがやはり神鋼1人ひとりのプレイヤーとしてのスキルの高さとラグビーの基本にのっとったプレーをしていたことが一番重要であったと思う。