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アウェーで南ア零封、ABs連勝

トライネイションズ2008第6戦 南アフリカ-ニュージーランド(8月16日、南アフリカ・ケープタウン)

author:テツヤ

 前節ホームで好調ワラビーズを破ったニュージーランド・オールブラックスが南アフリカ・スプリングボクスと激突。IRBランク1位をかけた世界最強決定戦ともいえるこのゲーム。ABsはホームでの第2戦(7月12日)、30年間不敗だったキャリスブルックで南アに敗れているだけに、アウェーといえども必勝を期して、ボクスファンの大観衆の中、ハカは「カパ・オ・パンゴ」で気合十分。

 ABsは前節と同じメンバー。南アはSHに第2戦で大逆転トライを決めたリッキー・ジャニュアリーではなく、フーリー・デュプレアが先発。9日のアルゼンチン戦で負傷したLOバッキース・ボタの代わりは、エイドリアス・ベッカーでいずれも層の厚さを感じさせる。リザーブには、フランソワ・ステインも控える。FBパーシー・モンゴメリーは記念すべき100キャップ目。

 前半、南アはキックオフをSOブッチ・ジェームスがタッチに蹴り出してしまったかと思えば、続いて自陣からのフリーキックをデュプレアがインゴールを切ってしまうなどどこかおかしい立ち上がり。WTBブライアン・ハバナのノッコン、マイボールラインアウトのスローミスと続き、前半7分、ディフェンスの裏を狙ったABsキャプテン、リッチー・マコウのゴロパントに走り込んだCTBコンラッド・スミスが押さえる。微妙だったがビデオ判定でグラウディングが認められ、先制トライ(キック失敗0-5)。
 ABsのSOダン・カーターもいつものスーパーブーツぶりが影を潜め、先制トライのコンバージョンを失敗すると、前半だけで3本のPGを外してしまう。南アは、陣地を取るキックが何度もデッドボールラインを超えてしまい、波に乗れないまま、前半終了。

 後半開始早々、カーターのミスが伝染したのか、こちらも名手モンゴメリーがPGを2本続けてはずし、逆転のチャンスを逃してしまう。その後互いに譲らない激しいぶつかり合いが続くが、後半25分、キックは不調だったカーターが素晴らしいラインブレイクを見せ、ゴール真下にタックルで倒されながらも“背面トライ”(キック成功、0-12)。35分には、南ア陣内ながらABsの激しいプレッシャーの前にCTBジャン・デヴィリアスのパスがなんとABsHOケビン・メアラムの胸に。そのままトライし、試合を決めた(キック成功、0-19)。
 南アホームで予想外の完封。カーターはゴールキックこそ不調だったものの、陣地をとる戦略的なキックやパント攻撃は正確で絶妙、ランも素晴らしかった。また前節に続き、ブレイクダウンでのマコウの奮闘、苦手のラインアウトの安定も良かった。南アは決め手の快足ハバナが足を痛めて途中交代するなど不運もあったが、ジョン・スミットに代わってキャプテンを務めたLOヴィクター・マットフィールドに冷静さを欠くプレーがあるなど全体として空回りした感じ。次もホームで、ワラビーズを迎え撃つが、立て直せるか。いよいよトライネイションズも終盤、この日の勝利でABsが一歩抜け出したが、最終戦までまだまだ目が離せない。
 最終スコアは、0-19(3T2G)

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August 27, 2008