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酒造りの工程
伝統的な酒造りの工程を紹介します。近世以降、“寒づくり”といって温度管理のしやすい低温期の冬季に酒造りを行うようになり、清酒が量産されるようになりました。寒づくりの場合、酒蔵で醸造に要する日数は約100日とされましたが、ひとつの酒蔵で次々と次の仕込み作業にかかるため、実際の酒蔵の中では各工程がほとんど同時進行で進められ、多くの桶や道具類を用いて、杜氏と蔵人たちが協力し効率よく作業を進めていました。
一麹、二酒母(もと)、三造りといわれる酒造りの工程を紹介します。
工程
夏囲い工程
酒しぼり、上槽、濾過後の新酒を62度C~65度Cに加熱、殺菌し、酵素の働きをとめ、直ちに貯蔵桶に入れ、密封します。これを“火入れ”といいます。一般に「生酒」といわれる酒は、この加熱を一切していないものです。
梅雨に入る前、貯蔵桶の呑口から少量の清酒を採取して香味の変化を調べる“呑切り”を行いますが、その年最初の呑切りのことを“初呑切り”といいます。初呑切り以降、約20日間隔で呑切りを行います。このとき少量の清酒を検酒びんに採取し、以後毎日すべての検酒びんに入れた囲い酒の香り等を調べる「瓶利き」をし、貯蔵酒の熟成度を管理しました。
こうして、厳正に管理しながら貯蔵タンクで約6カ月ねかせます。この熟成期間中に、甘さ、辛さなどが微妙に絡み合い、まろやかな味わい、馥郁(ふくいく)とした香味の清酒ができあがります。
熟成後、約60度Cに再加熱して、瓶詰めし、出荷されます。