工程
醪(もろみ)つくり工程
“もろみ”とは、約7%の酛の上に冷ました蒸米、水、麹を加えて混ぜ合わせ、20日から30日かけて発酵させたものです。この工程では、蒸米のデンプンがまず麹菌によって液化・糖化され、この糖を酵母菌の働きによってアルコールに変化させるという二つの作用が同時に並行して行われます。糖化とアルコール醗酵をひとつの槽内で同時に行うこの方法を“並行複醗酵”とよびます。
酵母の濃度が薄まらないよう、初添(はつぞえ)、中添(中添え)、留添(とめぞえ)と3段階に分けて仕込みます。初添の後、踊りといって、階段の踊り場のように1日休んでから仕込みを続けることで、酵母の増殖をうながします。発酵中は炭酸ガスが発生してぶくぶくと泡が出ます。杜氏はこの泡の大きさや量によって発酵の進み具合を判断します。