蔵元ぶろぐ
(1)蔵元ブログ、スタート
まず一番手は伏見の豊澤さんです。
まず初めに当蔵の紹介をさせていただきますと、創業は慶応年間。江戸時代も終わろうとしている頃に豊澤儀助が九州は福岡の遠賀から大阪天王寺は玉造に出て来て酒類の卸、小売業を営んだのが始まりです。儀助はどうせ売るのなら自らの手で造った清酒を売りたいと明治初期に酒造業を始めました。当初は灘、奈良、泉南尾崎、岡山県里庄にて造っておりましたが、昭和9年5月株式会社を設立した後、よりよい水を求めて伏見に移り、現在に至っております。
主要銘柄は「豊祝」。銘柄の由来は創業者儀助が詠んだ「いねみのり 國も豊よ 祝ひ酒」という句からとっております。「飲んでいただいた全ての人が楽しく、そして幸せな気分になれるようなおいしいお酒」を造る事をモットーに、伏見の銘井水「白菊水」を天然水のまま仕込みに使い、淡麗辛口のすっきりした飲み心地に加えて京都の水の優しさが伝わってくるお酒を造っています。
さて、今これを読んでいただいているみなさんはもちろん日本酒が大好きか日本酒に興味がある方だと思いますが、伏見に来られたことがあるでしょうか?京都にはたくさんの酒蔵があります。その中でも京都市伏見区には20くらいの蔵がそれぞれのこだわりを持って個性豊かなおいしい酒造りをしております。日本酒は嗜好品ですので人それぞれおいしいと思うお酒は違うと思いますが、これだけたくさんの蔵でたくさんの酒質のお酒を造っているのですからその中に必ずお気に入りのお酒がみなさんに飲んでいただくのを待っているはずなんです。「日本酒はちょっと・・・。」と言う方も一度は伏見に来て散歩がてらいろんな蔵をまわってみてください。絶対に「へぇー、こんなにおいしいお酒があったんや!」って叫んでしまうくらいみなさんにぴったりの日本酒が見つかるはずです。
今の時期は酒の造りの時期ではないのですが、寒くなって造りが始まるとうちの蔵では月に一回「蔵開き」と称してほんとにその時しぼって出てくるしぼりたての生原酒をテイスティングしていただけるイベントを開催しております。また、伏見酒造組合では毎年3月頃に伏見の蔵元を集めてその年に出来た新酒の利酒会を開催しております。坂本竜馬がお龍と連れ添って日本で始めて新婚旅行に行ったと言われている寺田屋があったり、十石舟や三十石舟に乗って伏見の季節を味わっていただいたり…。とこんなことを書いていると何ページあっても足りないので今回はこれくらいにしておきますが、是非とも一度伏見へ足を運んでみてください。きっと新しい発見が出来ると思います。