004010_山宣と私
山宣に仙台の地は踏ませない 帝国議会初演説余話〔1〕─藤田廣登
2007年5月21日 15:51
1928年12月、山本宣冶の遊説日が近づくにつれ仙台はものものしい雰囲気に包まれていました。この時の宮城県警察部長の「不当発言」が、翌年1月25日の帝国議会での山宣の初演説につながったのです。当時の生々しい議事録が『山本宣治全集』第八巻(昭和5年12月発行)に収録されています。
しかし、山宣がいつ仙台で県警察部長と対峙したのかについては、これまで十分に明らかではありませんでした。佐々木敏二氏は『山本宣治』下巻270ページで「労働農民新聞」掲載予定日の28年12月9日を紹介しています。この時期、山宣は東北・道内で「労農新党準備会」巡回演説会に参加し、12月3日の小樽行で小林多喜二と会った可能性があることが最近の研究で明らかにされました。