002010_山宣研究
性教育アジア学術会議
2007年11月13日 15:09
今回の性教育アジア学術会議(07年8月)は今年で3回目で、東京の立教大池袋学舎で開かれました。この研究会は故山本直英さん(“人間と性”教育研究所所長)と高徳偉・北京首都師範大教授の共同呼びかけで実施されてきました。第1回目は同大学、2回目は台湾の高雄、4回目(次回)は香港が予定されています。私は呼びかけが約束された日中性健康教育学術会議に陪席したものとして1回、二回目の日本実行委員会事務局長を務めました。
性教育といえば、欧米が先進国と言うのが「常識」でした。私もアメリカや北欧に研修ツアーで学んできましたが、最近はアジアのこの地域で熱心に研究されています。というのは、インターネットの発展もありAIDSや性感染の蔓延・西側の「性風俗の汚染」から守りたいという国策によって何としても対応したいと言う強い要請もあり、中国(台湾、香港を含む)では日本を凌駕する勢いの研究熱心さが伺えます。
日本における石原都制や自民・民主党の「君が代」「日の丸」強制と並んでの「性教育バッシング」が激しくなっている現状は嘆かわしい現状と言えます。ちょうどこの性教育アジア学術学会が開かれていた時は安部内閣が、「美しい国」賛歌で「軍国日本への回帰」を希求していたこともあり、それとの関わりのレポート「性教育のパイオニア山宣」を第3回アジア性教育学術会議でしました。
山宣(山本宣治)はその「美しい国」で虐殺されたのでした。山宣は中国・アジアを常に意識して論文も書いていました。中国大陸への侵略に対して命がけで戦いました。だから彼の死後、当時の朝鮮の新聞では山宣の死を報道(写真)しています。まさに彼は世界を見ていたのです。
この6月、私はイギリス・ドイツに「山宣の性教育の源流を訪ねるツアー」に出かけました。(その時のレポートは「山宣と私」に掲載)
8月の時点で、安部内閣が倒れ、そして今度は民主党の小沢が辞意を表明しました。いよいよ民主勢力の出番です。性教育についてはまだまだの感じです。それだけ山宣の先駆性が光っていると言えましょう。