006010_平和への軌跡
【27】映画「武器亡き闘い」の監督の山本薩夫
2009年3月13日 09:47
山本薩夫監督は社会派の映画を作ると言う評判でした。私もいくつか見ていますが先日もビデオ屋さんで「戦争と人間3部作」を見つけた時、もう一度見ようかと思わず手にしました。
独立プロでのこの作品の制作過程や中身について述べておきます。山宣会ではこれまでよくこの映画を上映してきました。でもちょっと長いのではないのか、ダイジェスト版ができないものかという意見に押されて、巨匠に大それた要望を出したことがあります。今思うと恥ずかしい使い走りをしたものです。
山本監督は、この作品の原作者・西口克己と花やしきにタネさんを訪ねお話をしたそうです、その時に、山宣の机においてあったレーニン像をタネさんは山本さんに差上げました。これはナップの京都支部の書記局の吉田清吉がつくったもので、後日息子さんから資料室に返却されました。
当時は、タネさんばかりでなく、安保反対の国民運動昂揚期で映画にエキストラで参加した人も数多くおりました。小作争議のクライマックスで地主側から要請された警察官役は小作人から田んぼの中にはめられるシーンがありましたが役を忘れて本気になって怒った人がいたとかの話もあったそうです。
最初のシナリオは青い表紙で「武器亡き斗い」でなく黒い表紙の「花屋敷」でした。出来上がった素敵な映画には小さな誤りもポツポツ(たとえば「山宣ひとり、、」の演説をした「全農大会は第2回」とか)ありました。下元勉の山宣役は名演技ですが、青年政治家山宣からすれば老けています。本物はもっと若いイメージが欲しかったので、私は今になっての感想ですが、ミスキャストでなかったかと思っています。
でも、この映画のキャストは御覧の通りに一流の俳優さんが出演しており、今見ても壮観です。