京都民報
なるほど京都

京の菓子暦

茶の湯と京文化に磨かれ、育まれた京の和菓子。四季折々の京の和菓子を紹介します。

甘楽花子 坤庵

 和菓子の中でも一番皆様に親しまれているのが餅菓子でしょうか。各地で有名な○○餅と呼ばれる名物があることからもうなずけます。京都近辺でも長五郎餅、おせき餅、走井餅、姥ケ餅などを挙げることができます。
 餅米を杵で搗いて製粉したものをお湯で練り、徐々に上白糖を加えて練り上げた生地を雪餅といいます。お茶でお使いいただく餅はほとんどがこの雪餅です。軟らかく、口ほどけも良く、自由に色付けできるところから、四季各々にお使いいただいています。 晩春から初夏にかけては卯の花餅、麦手餅があります。包む餡は漉餡、白餡、粒餡と何にでも使えます。

  • 卵白、抹茶、上白糖、餅粉、水
  • 材料がそろったら、まず上白糖の1/4量を卵白とすり混ぜます。

  • 卵白と上白糖をすり合わせることで、生地に軟らかさと、着色する場合の色鮮やかさが生まれます。
  • 残り3/4量の上白糖に抹茶を篩います。微粉の材料は全体を練り合わせる前に上白糖等水分を含む材料とよく混ぜ合わせておきます。
  • 鍋に水だけを入れ、沸騰させます。
  • 沸騰したら、すぐ餅粉を入れます。

  • 餅粉を入れたら、手早く練り上げます。
  • 餅の粘りが出たら、落莫とすり合わせた1/4量の上白糖をいれ、粘りが出るまで練ります。(餅生地は上白糖の水分で一旦柔らかくなります)粘りが出たら、残り3/4量の上白糖を2度に分けて入れ、同じように練り上げます。

  • 練りあがった状態。
  • 10

    充分粘りが出たら、餅が固まらないよう、湯煎しておきます。

  • 11

    取り粉の片栗粉の上に起きます 。
  • 12

    手に付かぬよう片栗粉をまぶして切り分けます。

  • 13

    軟らかく炊き上げた餅餡を包みます。
  • 14

    包みあがりです。後は粉を払って成型するだけです。色は抹茶の色だけです。天然の色素というわけですが、熱に弱く、長い間湯煎したり、練りすぎると焼けて茶色味を帯びますので、手早く作業する必要があります。


完成

卯の花(うのはな)