しんいちのライブな日々

ジャズはサプライズ 高槻ジャズストリート

 今年もやってきました。関西のジャズファンの年に1度の大イベント「高槻ジャズストリート」(5月3、4日、高槻市)。
 「高槻?何それ?」というリアクションでしょうね。若干の説明しちゃいます。本場ニューヨークで活動するプロからアマチャアまで演奏者が手弁当で集結し、高槻市内の公園、高架下、バスの中などでスウィングしまくるイベントです(すべて無料!)。この2日間は、少しオールドファッションに身を固めた老若男女が生の音を求めてまちにあふれます。
 5年前から欠かさず参加してきた小生にとって、今年は一大ピンチ。なんと2日前に、持病の腰痛で歩行不能になったのです。GWの連休のため頼みの整形外科医は留守。119番を掛けて大手病院に直行し、救急治療のブロック注射を一発。なんとか痛みが抑えられ、家族に「さあ、行くぞ!」。「お父さんまたいくの!」と冷たい視線を浴びながら全員を車に詰め込み会場に向かったのです。
 サプライズは神社の能舞台で起こった。北海道室蘭工業大学の学生バンドが演奏中に、「フライドプライド」が飛び入りで参加してきたのだ。「フライドプライド」って?米国大手レコード階会社「コンコード・レーベル」から日本人として初めてアルバムを出したヴォーカルとギターの若手デュオのこと。2人の〝乱入〟でのどかな会場に緊張が走った。ギターの横田明紀男氏の簡単なコードを交えての即興演奏。ヴォーカルのShihoさんが黒人張りのノリのいい即興で絡む。耳が2人の演奏に集中し、まわりの音が聞こえなくなっていくのがわかる。 あまりのセンスの良さに溜飲が下がる。この瞬間「やっぱり来た甲斐があった」とほほえむ。
 横田氏は、学生のメンバーにマイクを向け即興演奏を求める。学生も必至で応える。たどたどしくもプロと絡めたうれしさと緊張がビンビン伝わってくる。想定外の世界が目の前で展開している。鳥肌モンだ。立ち会えた喜びがこみあげ、思わずスタンディングオベーション。(ウワー、来た~!)。腰にも来た!来た!痛い‥☆‥☆。

執筆者:平山