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ペルセポリス

 『ペルセポリス』は、イラン出身パリ在住のマルジャン・サトラピ監督自身による自伝的グラフィック・ノベルの映画化。1970~90年代の混迷するイランを舞台に、おしゃれやロックに興味を持ち、運命の人に出逢い失恋し落ち込んでは立ち上がる主人公マルジの物語をユーモアと涙を散りばめながら、繊細に時に大胆に描く。ビビッドな映像の中に息づく一人の少女は、国や歴史や宗教を軽々と飛び越えて世界中の人々の心に触れ、感動をもたらしてくれる。
 1978年のイラン。9歳のマルジャンはパパやママそして大好きなおばあちゃんに囲まれ自由に幸せに暮らしていた。しかし革命が起き、さらに翌年戦争が始まるなどイランは激動の時を迎えていた。混乱を避けるため、マルジの両親は彼女をウィーンに留学させることに。
 ティーンエイジャーのマルジは楽しい日々を送っていたが、次第に西洋文化とイスラム文化のはざまで悩み、自由を手放してでも帰国することを決心する。再び家族の元に戻ることを決めたマルジは、さまざまな社会の矛盾や制約の中ででもたくましく成長していく―いつも公明正大に。
 観どころは豪華な女優たちによるボイス・キャストだけでなく、そこで育った彼女だからこそ表現できるイランの重くなりがちな実状を、ユーモアを交えながら描ききった。大人の都合で苛酷な環境におかれても、「将来の夢はブルース・リー」とヒーローに憧れるマルジに勇気をもらった。(京都シネマ・カワベ)
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作品情報

  • 声の出演:キアラ・マストロヤンニ、カトリーヌ・ドヌーヴ、ダニエル・ダリュー
  • 監督:マルジャン・サトラピ
  • 脚本:マルジャン・サトラピ
  • 音楽:オリヴィエ・ベルネ
  • 製作年:2007
  • 製作国:フランス
  • 配給:ロングライド
  • 時間:95分
  • ジャンル:アニメ
  • 原題:PERSEPOLIS
  • 公開日:08/01/12
  • 京都シネマの上映情報
コンテンツ企画協力:京都シネマ
この記事へのコメント一覧

イラン人イラストレーター、マルジャーン・サトラーピーが、その「自伝的グラフィックノベル」を映画化。政治的動乱に伴う国外への脱出、欧州での生活と失意の帰国、故郷での再出発、そしてフランスへの旅立ちといった彼女の半生が、手書きの原作そのままに、どこか懐かしいタッチで表現されている。
重苦しい話題を挟みながらもあくまで軽快に進む話のテンポは心地よく、原作既読者ならずとも十二分に楽しめる作品と言えるだろう。

投稿者:Divaneさん│ 08年02月04日