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いのちの食べかた

 「私たちが普段食べているものはどうやってつくられているのか?」
昨年、食品偽装問題に揺れた日本。食の安全に対する危機感が高まる中、「私たちが安く買うことのできる食べ物はこうやってできているんだよ」とオーストリアのニコラウス・ゲイハルター監督が描くドキュメンタリー。
 テニスボールのようにホースで吸い込まれ、箱に詰められていくヒヨコたち。「生き物」だった鶏、牛、豚などが一瞬で殺され、次々に「肉」になっていく。トマト、パプリカ、キャベツが機械によって大量に箱に詰められていく…。
 解説するナレーションやインタビューは一切なく、ヨーロッパらしい風景のなか、並べられた生物・食品の映像だけが淡々と流れていく。
 食品の大量生産・オートメーション化に対する言葉での批判や解説はなく、映像を見た人がどうとらえるのかが問われる。
 「安易に安い食品は食べたらイカンぞ」か、「それでも安全なら食べるよ」か。(立)
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作品情報

  • 監督・撮影:ニコラウス・ゲイハルター
  • 脚本:ウォルフガング・ヴィダーホーファー、ニコラウス・ゲイハルター
  • 録音・整音:ステファン・ホルツァー、アンドレアス・ハンザ、他
  • 製作年:2005
  • 製作国:ドイツ/オーストリア
  • 配給:エスパース・サロウ
  • 時間:92分
  • ジャンル:ドキュメンタリー
  • 原題:Unser taglich Brot(日々の糧)
  • 英題:OUR DAILY BREAD
  • レーティング:PG-12
  • 公開日:08/01/15
コンテンツ企画協力:京都みなみ会館