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カティンの森

カティンの森 ポーランドの巨匠、アンジェイ・ワイダ監督の数ある名作のなかでも、本作は、監督自身にとって特別な意味を持っている。
 カティン事件は、1940年の春、ポーランドのカティン地方で起きた、ソ連軍によるポーランド将校の虐殺事件。ワイダ監督の父親も事件の被害者で、母親は夫の帰還の望みが失われていくなかで亡くなったという。監督デビュー間もない1950年代半ばに事件の真相を知るが、ソ連の衛星国であったポーランドでは、映画化はもとより、語ることすら叶わなかった。事件から70年、構想50年、積年の思いがこもった作品である。
 監督が描いたのは、決して癒えることのない被害者家族の傷。そしてそれは現代に生きる我々に「忘れてはならない」と、鋭く、重く、語りかけてくる。(京都シネマ・エダ)
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作品情報

  • 出演:マヤ・オスタシェフスカ、アルトゥル・ジミイェフスキ、ヴィクトリャ・ゴンシェフスカ
  • 監督・脚本:アンジェイ・ワイダ
  • 音楽:クシシュトフ・ペンデレツキ
  • 製作年:2007
  • 製作国:ポーランド
  • 配給:アルバトロス・フィルム
  • 時間:122分
  • ジャンル:ドラマ
  • 原題:KATYN
  • レーティング:R15+
  • 公開日:10/01/09
  • 京都シネマの上映情報
コンテンツ企画協力:京都シネマ