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いのちの作法─沢内「生命行政」を継ぐ者たち─

 奥羽山脈の懐に抱かれる岩手県西和賀町、かつての旧沢内村は豪雪地帯のため、昭和30年代は冬季には交通、産業が麻痺状態となり、赤ン坊や高齢者が当たり前の如く亡くなるという状態が続いていた。村民が死を宿命として諦めて生きる中、当時の村長深沢晟夫は「住民の生命を守るために、私の生命をかけよう」と宣言する。度重なる議論と村ぐるみの努力の末、昭和35年に乳児・老人医療費無料化の提言を英断し、2年後には日本で初めて乳児死亡率ゼロを達成し、日本一の保健の村になる。いのちを大切にするという「生命尊重の理念」は、今も西和賀町民の心に脈々と受け継がれている。
 “生命の尊さ”という今まさに日本人が見つめるべきテーマが、珠玉の記録映画として誕生した。(京都シネマ・赤染 芳)
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作品情報

  • 出演:西和賀町の人々
  • 監督:小池征人
  • 音楽:森拓治
  • 製作年:2008
  • 製作国:日本
  • 配給:記録映画・『いのちの作法』制作推進委員会
  • 時間:107分
  • ジャンル:ドキュメンタリー
  • 公開日:09/04/11
  • 京都シネマの上映情報
コンテンツ企画協力:京都シネマ