/entertainment/00200_cinema_review/00208_/
4ヶ月、3週と2日
1987年、チャウシェスク独裁政権末期のルーマニア。
女子大生のオティリアは、ルームメイトのガビツァと朝からせわしなく動き回っていた。ビニールシートに歯磨き粉、ドライヤーなど忘れ物はないかと確認しあう二人。「キャンプに行くみたいね。」のんびり構えているオティリアとガビツァだが、これからの長い1日が生涯2人にとって忘れられない日になるとは思いもよらなかった…。
第60回カンヌ国際映画祭で、名だたる映像作家を押しのけ見事パルムドールに輝いたのが、本作『4ヶ月、3週と2日』。この興味深いタイトルが意味するものは、主人公のルームメイト、ガビツァの妊娠期間。当時のルーマニアにおいて、工業化に必要な労働力の確保のため、出産の奨励、中絶の禁止が義務付けられていた。ただ食糧事情が非常に悪いこともあり、たとえ産んだとしても育てることができない状況が続き、結果的にルーマニアでは孤児や捨て子が大発生した。このような背景を元に、主人公のオティリアは何とかガビツァの中絶を助けるために奔走することとなるが、予約したホテルが取れていなかったり、中絶手術をする闇医者からは、高圧的な態度を取られるなど思うように進まず焦るオティリア。覚悟を決めたオティリアが、ルームメイトのためにとったの行動とは…?
一つ大事なことは、この映画が中絶の是非を問う作品ではないとうこと。
人間としての正当な権利が国家によって奪われた時代、一人ひとりが国家への抵抗をみせ、ただ自由を獲得したい。人間らしく生きたい。と願う一つの現われなのではないだろうか? (京都シネマ・カワベ)
女子大生のオティリアは、ルームメイトのガビツァと朝からせわしなく動き回っていた。ビニールシートに歯磨き粉、ドライヤーなど忘れ物はないかと確認しあう二人。「キャンプに行くみたいね。」のんびり構えているオティリアとガビツァだが、これからの長い1日が生涯2人にとって忘れられない日になるとは思いもよらなかった…。
第60回カンヌ国際映画祭で、名だたる映像作家を押しのけ見事パルムドールに輝いたのが、本作『4ヶ月、3週と2日』。この興味深いタイトルが意味するものは、主人公のルームメイト、ガビツァの妊娠期間。当時のルーマニアにおいて、工業化に必要な労働力の確保のため、出産の奨励、中絶の禁止が義務付けられていた。ただ食糧事情が非常に悪いこともあり、たとえ産んだとしても育てることができない状況が続き、結果的にルーマニアでは孤児や捨て子が大発生した。このような背景を元に、主人公のオティリアは何とかガビツァの中絶を助けるために奔走することとなるが、予約したホテルが取れていなかったり、中絶手術をする闇医者からは、高圧的な態度を取られるなど思うように進まず焦るオティリア。覚悟を決めたオティリアが、ルームメイトのためにとったの行動とは…?
一つ大事なことは、この映画が中絶の是非を問う作品ではないとうこと。
人間としての正当な権利が国家によって奪われた時代、一人ひとりが国家への抵抗をみせ、ただ自由を獲得したい。人間らしく生きたい。と願う一つの現われなのではないだろうか? (京都シネマ・カワベ)
作品情報
- 出演:アナマリア・マリンカ、ローラ・ヴァシリウ、ヴラド・イヴァノフ
- 監督:クリスティアン・ムンジウ
- 脚本:クリスティアン・ムンジウ
- 音楽:ティティ・フレアヌク、ダナ・ブネスク、クリスティアン・トゥルノヴェツキ
- 製作年:2007
- 製作国:ルーマニア
- 配給:コムストック・グループ
- 時間:113分
- ジャンル:サスペンス
- 原題:4MONTHS,3WEEKS&2DAYS
- レーティング:PG-12
- 公開日:08/04/19
- →京都シネマの上映情報