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スルース

スルース アカデミー賞4候補に上がった傑作ミステリー『探偵〈スルース〉』(72)が、設定はそのままに、全く新しいアプローチで甦る。キャラクターにより複雑さと陰影が増した脚本は、ノーベル文学賞作家ハロルド・ピンターの手によるもの。セリフのひと言ひと言、行動のひとつひとつが、本心か策略か?嘘か真実か?観る者を混乱させ、だまし絵の世界に誘う。監督は『魔笛』のケネス・ブラナー。巧妙な演出と意匠を凝らした画作りで、ヴィヴィッドな『スルース』がここに誕生した。
 ロンドン郊外にあるベストセラー推理作家アンドリュー・ワイクの瀟洒な邸宅に、マイロ・ティンドルと名乗る若い男が現れた。彼らの関係は“夫VS妻の浮気相手”。作家が若い男に持ちかける。「妻が欲しいなら、私の提案に乗らないか?」それは一人の女をめぐる高貴で不健全なゲームの幕開けだった。罠を仕掛け合い、ワンシーンごとに取って替わられる主導権。息つく暇もない89分。ラストシーンで微笑むのは、果たしてどちらか?
 本作最大の見どころは、それぞれの世代を代表する英国の二大俳優、マイケル・ケインとジュード・ロウの火花を散らす演技合戦。プロデューサーを兼ねるロウの熱烈なオファーを受け、72年版でローレンス・オリヴィエが演じた作家役を新たな解釈を加えてケインが熱演すれば、ロウは、かつてケインが演じた若い男役にまわり、女性はもちろん、男性をも魅了する妖しさと美しさで対抗。男のエゴとプライドを激しくぶつけ合うバトルは、思いもよらぬ方向に展開していく…。(京都シネマ・赤染 芳)
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作品情報

  • 出演:マイケル・ケイン、ジュード・ロウ
  • 監督:ケネス・ブラナー
  • 脚本:ハロルド・ピンター
  • 音楽:パトリック・ドイル
  • 製作年:2007
  • 製作国:アメリカ
  • 配給:ハピネット
  • 時間:89分
  • ジャンル:サスペンス
  • 原題:SLEUTH
  • レーティング:PG-12
  • 公開日:08/04/12
  • 京都シネマの上映情報
コンテンツ企画協力:京都シネマ