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つぐない

つぐない

 イギリスの現代文学を代表するブッカー賞作家、イアン・マキューアン。彼の最高傑作ともいわれる世界的ベストセラー「贖罪」の映画化。1930年代から現代へと60年以上にわたる歳月の中で、運命に翻弄される恋人たちと彼らの運命を決定づけた妹のつぐないの日々を描く。映像不能と言われた「言葉の壁」をジョー・ライト監督の見事な演出が可能にした。
 ヒロイン、セシーリアには今や名実とも名女優の仲間入りを果たしたキーラ・ナイトレイ。
 恋人ロビーにイギリスの若手実力派ジェームズ・マカヴォイ。
 妹役には三女優が競演。少女時代を本作の演技を絶賛されたシーアシャ・ローナン、娘時代を「エンジェル」の演技力で注目されたロモーラ・ガライ、大作家となった晩年を名女優ヴァネッサ・レッドグレイヴが演じる。
 1935年、イングランド。主が政府官僚を務めるタリス家には、大学を卒業し戻って来た姉セシーリア、その妹ブライオニーがいた。使用人の息子ロビーは聡明な若者で、タリス家の援助でセシーリアと同じ大学を卒業し、姉妹とは幼馴染だった。
 ある日長兄リーオンとその友人ポールがやってきた。その日は叔母の子どもたちローラと双子の弟たちも滞在していた。
 互いに想う気持ちを抑えきれず求めあうセシーリアとロビー。その現場を見てしまったブライオニーは、誤解をしロビーを嫌悪してしまう。
 晩餐会のあと、家出をした双子を探すため手分けをして捜索している最中、ローラが何者かに襲われる。逃げていく人影を見たブライオニーは「犯人はロビーだ」と嘘をついてしまう。
 恋人たちはやがて始まった戦争をはさんでながく引き裂かれてしまうことに。
 やがて成長したブライオニーは看護士となり、あの事件以来家族と絶縁状態になりひっそりと暮らす姉に対し、罪を償える日が来ることを願いながら物語を綴っていた…。

 ひとつの誤解がひとつの嘘をつかせることになり、それが姉とその恋人の運命を大きく変えることになってしまう。一度狂った歯車は元に戻ることなく、どんどん月日の中にのみ込まれていく様子を、高い緊張感をもって一気に観せていきます。姉を思う気持ちから少女がついた嘘。ブライオニーが背負う罪の意識は、それを“韻も装飾も抜きで”語ることでおろせるのでしょうか。何よりも「忘れることなく」「生きつづけること」が「償い」そのもののような思いがします。(京都シネマ・横地由起子)

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作品情報

  • 出演:
  • 監督:ジョー・ライト、キーラ・ナイトレイ、ジェームズ・マカヴォイ、シーアシャ・ローナン、ロモーラ・ガライ ほか
  • 脚本:クリストファー・ハンプトン
  • 音楽:ダリオ・マリアネッリ
  • 製作年:2007
  • 製作国:イギリス
  • 配給:東宝東和
  • 時間:123分
  • ジャンル:ロマンス
  • 原題:Atonement
  • レーティング:PG-12
  • 公開日:08/05/03
  • 京都シネマの上映情報
コンテンツ企画協力:京都シネマ